火葬人 [本のこと]
松籟社という京都の出版社から刊行されいる
シリーズ「東欧の想像力」
世界大戦 ナチズム ホロコースト スターリニズム
圧政国家 体制崩壊 国家解体 民族浄化 など
圧倒的な力 過酷な現実に抗うように 書かれた
日本ではあまり知られていない 東欧の作家たちの作品群
その中で読んだのは
ポーランドの作家 イェジー・コシンスキ著「ペインティッド・バード」
スロヴァキアの作家 サムコ・ターレ著「墓地の書」
そして チェコの作家 ラジスラフ・フクス著 「火葬人」
大きな 戦争のうねりの中 慎ましやかに 暮らしていた火葬人が
妻と子を なにも躊躇せずに 殺していく
ただ ユダヤの血が流れているという事で。
主人公である火葬人には 特徴もない どこにでも居るような
市井の人々だから なおのこと 恐くて グロテスクで
静かに 地を這うような 悪意に満ちている。
それも また 誰にでも ありうる行為
起こりえる行為 だからなのかもしれない。
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