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9月に読んだ本たち [本のこと]


ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係
作者: 真梨 幸子
出版社/メーカー: KADOKAWA
発売日: 2018/07/27
メディア: 単行本





■ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係
こんなことか、こんなものなのか。相変わらずの真梨節で、
さて、感想を残すほどでもなく。





私たち異者は作者: スティーヴン・ミルハウザー
出版社/メーカー: 白水社
発売日: 2019/06/25
メディア: 単行本





■私たち異者は
作者が書かれる物語はいずれも、雨上がりの水たまりに小石を投げ入れてできる波紋によって映し出される空や自分の顔が歪み泣いているような笑っているような怒っているようなことでもあり、誰もいない畦道を歩いている自分の耳に微かに聞こえてくる風の音に近くもあり。ほんの僅か、口に入ってしまったザラザラの砂粒のようでもあるのです。







壺の町作者: 望月 諒子
出版社/メーカー: 光文社
発売日: 2012/06/19
メディア: 単行本






■壺の町
神戸の震災を軸にした物語。犯人ではと疑われる小説家くずれ?のような男性が真相を突き止めいていくのですが、木部美智子シリーズものと勘違いしていた。なんだか、少しがっかりするのと物足りなさを感じながら読み進めていたけれども、やっぱり主人公に魅力が無く、俯瞰で見るということもなく、最後は主人公の台詞で居た堪れない気持ちになった。残念。







静かに、ねぇ、静かに
作者: 本谷 有希子
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2018/08/23
メディア: 単行本






■静かに、ねぇ、静かに
何かがズレている気持ちの悪さは今村夏子氏も描かれるが、この作品の気持の悪さは、胸糞も悪くなる。反吐が出るとはこういうことか。しかし、誰もが納得して社会と併合して生きていくのは難しく、難しい故にとりあえず間違いではないであろう、間違っていても薄ら笑いで過ごせる道を選ぶのか。私も薄ら笑いを浮かべながら読んでいた。本谷有希子氏、なかなかでなかなかの人だと思う。他の作品も読んでみたい。








掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集
作者: ルシア・ベルリン
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2019/07/10
メディア: 単行本





■掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集
表紙の女性は作者でもあり、この本の世界で描かれる主人公でもあり、この短編集に共鳴した私たちでもある。少しだけ微笑む写真の彼女は、その微笑みの分だけ常に幸福に包まれて生きていたのだろうと想像する。ウイットとアイロニーに富んだ掌ほどの物語は、人差し指で拭える程の涙を流す。キュッと爪で引っ掻かれるような痛みを伴って。彼女が紡ぎ出す言葉に出会うことができた。ありがとうございます。







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2019年もいろいろと読書する予定 [本のこと]


今朝の新聞で見かけた

『絶望名言』なる本

心惹かれ ジャングルの中で買い求める

ついでといったらば あれだけど

『文豪の名言対決“絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ”』なる本も。




NHKラジオ深夜便 絶望名言

NHKラジオ深夜便 絶望名言

  • 作者: 頭木弘樹
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本










文庫 絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決 (草思社文庫)

文庫 絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決 (草思社文庫)

  • 作者: フランツ カフカ
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2018/06/05
  • メディア: 文庫






以前 『絶望図書館』を買い求めたことがあったけれど

これが 何かと なんだか 面白かった。


絶望から 希望を見出すのか

絶望を シニカルに捉えるのか

哲学的でありながら そんなこともなく


ただ 『絶望図書館』は

表紙の写真に 惹かれた理由で

どんなことが 起ころうと

本を求める 人々に 共鳴


そういえば

『アウシュヴィッツの図書係』という本もあり

どんな場面でも どんな時にでも

人々は 本を 読むことに 喜びを感じる 生き物なのか

名著『華氏451度』の 世界にならないように望むばかり

だけど もしも 未来が そんな世界に なったらば

私も 1冊の本を 暗記し 口伝えにて 我が身が滅びるまで






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すべての見えない光 [本のこと]



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ラジオから聞こえる懐かしい声が、
若いドイツ兵と盲目の少女の心をつなぐ。
ピュリツァー賞受賞作

すべての見えない光


読みたい本とは、裏腹に
この頃は日本作家の
ミステリーやサスペンスやホラーやらを
図書館で借りて読み耽る毎日。

でも、やはり食傷気味になったので
海外文学を久しぶりに本当に読んでみたい。


新潮クレスト・ブックスの本たち
白水社エクス・リブリスの本たちは
どれもこれも惹きつけられる佳作揃いだと思う。





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火葬人 [本のこと]


火葬人 (東欧の想像力)

火葬人 (東欧の想像力)

  • 作者: ラジスラフ・フクス
  • 出版社/メーカー: 松籟社
  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: 単行本





松籟社という京都の出版社から刊行されいる

シリーズ「東欧の想像力」

世界大戦 ナチズム ホロコースト スターリニズム

圧政国家 体制崩壊 国家解体 民族浄化 など

圧倒的な力 過酷な現実に抗うように 書かれた

日本ではあまり知られていない 東欧の作家たちの作品群

その中で読んだのは

ポーランドの作家 イェジー・コシンスキ著「ペインティッド・バード」

スロヴァキアの作家 サムコ・ターレ著「墓地の書」

そして チェコの作家 ラジスラフ・フクス著 「火葬人」


大きな 戦争のうねりの中 慎ましやかに 暮らしていた火葬人が

妻と子を なにも躊躇せずに 殺していく

ただ ユダヤの血が流れているという事で。

主人公である火葬人には 特徴もない どこにでも居るような

市井の人々だから なおのこと 恐くて グロテスクで

静かに 地を這うような 悪意に満ちている。

それも また 誰にでも ありうる行為

起こりえる行為 だからなのかもしれない。






The Better Angels of Our Nature [本のこと]


暴力の人類史 上








暴力の人類史 下










久しぶりに分厚い本 上・下 完読しました。

所々 飛ばし読みしましたが。

飛ばし読みなので

飛ばし読み的な感想を。(笑)


様々な統計学を 見て 考えると

今 現代は 大昔に比べると

暴力によって 死んだ人は 減っていると。

それは なぜかというと

治める人のもと 共同体の中で

人は 道徳的になり 倫理を持ち

哀れみ 同情という感情が芽生え

人の痛みは 自分の痛みとして

感じる事が 出来るようになったから。

そういう事らしい。

しかし そんな抑制の効いた 人間ばかりが

この地球上に いるわけじゃない。

これから 先 未来は

どうなるかわからない

その事を いちばん 伝えたい本なのだと思う。




2015年図書館通い初め [本のこと]


今年は 書物に対して もっとキチンと 向かい合おう

出来る限り 読み終えた それなりの 想いを書き留めよう

自分にとって そんなに 残された時間があるワケじゃない

せめて 好きな 書物に対してだけでも 正直にならなくちゃ


★マヤコフスキー叢書「背骨のフルート」
ヴラジミール・マヤコフスキー 著
小笠原豊樹 新訳

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図書館の新刊コーナーに立てかけてあり 思わず 手にとってみた
新書本より 少し小さめ そして 序文・あとがきを入れても
60ページも満たない
この本は 本棚に収めずに いつも ポケットに 忍ばせていたい
そんな感じ。



★「怪談」
ラフカディオ・ハーン 著
ヤン・シュヴァンクマイエル 画
平井呈一 訳


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ヤン・シュヴァンクマイエルのコラージュ画に惹かれて
必ず 借りてみようと思っていた 本 というか
私の中では 画集に 近い存在。


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★「極北」
マーセル・セロー 著
村上春樹 訳


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随分前から 読みたいと 思っていた
装画が 良い
この本だけは 村上春樹氏の 訳に惹かれたのでは無くて
装画に 惹かれた。




★「遁走状態」
ブライアン・エヴンソン 著
柴田元幸 訳


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どこまでも醒めた 19の悪夢
ホラーも純文学も超える 驚異の短篇集
上手い コピー 紹介文に 惹かれた。





★「宗教地獄絵 残虐地獄絵」
吉田八岑 田中雅志 共著



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美術書 絵画関連書の コーナーで見つけた
面白い
こういう 本は 見るたびに 読むたびに
何故 人間は こうも 残忍な想像を 膨らませる事が
好きなんだろうと 感心してしまう
私もだけど。







THE BODY ARTIST [本のこと]


ボディ・アーティスト (ちくま文庫)


作者: ドン・デリーロ
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2011/07/08
メディア: 文庫




新聞の書評に載っていた「天使エスメラルダ 9つの物語」が

とても気になったのだけど。

現代アメリカ文学の巨匠と言われていても

ドン・デリーロの作品を なにひとつとして 読んでいないから

手始めに 文庫化となった 「ボディ・アーティスト」

読み初めてみた。

なによりも 表紙に使われているエゴン・シーレの 絵に惹かれたから。



最愛の夫を 自殺というカタチで 失った女性の 再生の物語

というと とても 安易な内容を 想像するでしょうけど。


まだ途中までしか 読んでませんが

ドン・デリーロの 硬質で 優美な 文章に ときめく


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「どれぐらいか知っている」と彼は言った。

「この家がどれくらいか知っている。海辺に孤立して alone by the sea


タトル先生の口から発せられた言葉の深い反響に、彼女はある公式を読み取った。

四単語のみ。しかし、彼はそれによって彼女を相対立する環境の中に捉えたのだ。

屋内であると同時に屋外。

家と、その外に広がる海の惑星。

そして「孤立して alone」という言葉が

いかに彼女と家との両方を指し

「海 sea」という言葉が

いかに孤立という意味合いを強化しながらも

積極的な解放を示唆しているか   本に囲まれた自己の限界から逃れる手段を。


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ひとり残された 彼女の心を 簡潔に 美しい 文章で 表現されている  

Alone By The Sea



図書館で 見かけた ドン・デリーロ著作「墜ちてゆく男」を

今度 絶対に借りて 読もう。








一瞬のような [本のこと]



外科室・海城発電 他5篇 (岩波文庫)

外科室 他
作者: 泉 鏡花
出版社/メーカー: 岩波書店
発売日: 1991/09/17
メディア: 文庫





心臓を患っている伯爵夫人は

麻酔での手術を頑なにも拒否をする

麻酔をかけられると 心の奥底に秘めている感情を

口走ってしまうかもしれない

担当の若い外科医は困惑するが

同じ想いに囚われている ふたりは



歌舞伎役者の板東玉三郎氏によって

1992年に制作された 泉鏡花原作の映画「外科室」

泉鏡花の世界観を壊す事なく描かれた この映画の宣伝コピーは

一瞬のような50分 一生のような50分



一瞬 一目見ただけで 魂が惹かれあい

一生 永遠の愛を 誰にも打ち明けず 秘めたまま


そんな愛など この世にあるワケが無い

そんな愛など 夢物語に過ぎないけれど



泉鏡花原作の外科室 青空文庫でも読めます。

とても短いお話ですが

日本語が こんなにも美しいという事に気づかされます。

外科室











Diada de Sant Jordi サン・ジョルディの日 [本のこと]

今日は サン・ジョルディの日

詳しい事は こちらのwikiに

現在のスペインのカタルーニャ(カタロニア)地方では

4月23日は男性は女性に赤いバラを贈り

女性は男性に本を贈る日とされていますが

男女ともに本を贈りあうこともあるそうです。

素敵ですねえ。

バレンタインデーやホワイトデーなんかよりも

ずっと良い。とってもロマンチック。



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ちょうど 今

大好きなカフェの店主から パブロ・カザルス氏の本を借りて

読んでいたところです。


パブロ・カザルス氏は

カタルーニャ地方に生まれたチェロ演奏家・指揮者・作曲家でもあり

音楽を通じて 平和活動も行った方として とても有名です。


借りた本は 残念ながら絶版になっていて

そんなパブロ・カザルス氏の著作に触れる事ができ

幸福を感じます。

とても興味深く 心哀しみに触れながら

音楽の素晴らしさを 改めて 胸に刻みつけます。


いろいろな方に読んで欲しいなあ。


母国 カタロニアを愛しつづけ

反ファシズムとして平和を祈り続けた


私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は


ピース、ピース(平和)と鳴くのです。









愛する人に 赤い薔薇と この本を プレゼント出来たら

私も幸せです。









Le Mal du Pays [本のこと]

巡礼の年

Le Mal du Pays ル・マル・デュ・ペイ

田舎風景が人の心に呼び起こす 理由のない哀しみ

ホームシック あるいはメランコリー


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あえて 誰にも 教えない

見つけた人だけが

ここに安らぎを求める人だけが 訪れれば良い

そんな 隠れ家Cafe Zooja


店内に満ちるのは 上質のJAZZと ひっそりとした時間だけ

とても 愛している人でも 絶対に教えない(笑)

とても 愛している人でも 邪魔されたくないから



久しぶりに訪れた この天国のようなトコロで

村上春樹氏の新刊「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読む

久しぶりの村上春樹氏が描く世界に心を寄せて



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限定された目的は 人生を簡潔にする



その目には新しい光が浮かんでいた

孤独で行き場を持たない

限定された場所で完結することを求められている光だ



色彩を持たない多崎つくる

彼は 何故 色彩を持つ事が無かったのか

まだ 途中までしか読んでいないのですが

少し分かったような気がする

光を 色を たくさん集めると それは 無に還る

多崎つくるは 様々な色を 包み込む事が出来る

白いキャンバス 温かな光なのかもしれない。


罪さえも 罰さえも 嘆きも 苦しみも 愛しさも









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